中国の唐草文様
中国の文様ですが、まずは青銅器の文様です・・
ちなみに、「中国文明が青銅器時代に入ったのは紀元前2000年紀前半の二里頭文化期からで、古代のエジプトや西アジアの文明は、おおむね紀元前4000年紀の半ばには青銅器時代に入っている」ので、大分遅いという。(wikipedia 閲覧20160421)
饕餮(とうてつ)文
夔龍(きりゅう)文
夔鳳(きほう)文
竊曲(せっきょく)文
環帯(かんたい)文
蟠螭(ばんち)文
羽状(うじょう)文
以上の 7種類の文様の図がありました・・
さらに 以下の7種類の文様の図があり、計14種類が挙げられている。
雷文
鱗文
重環文
蝉文(ぜんもん)
円渦文
虺(き)文
蟠龍(ばんりゅう)文
※漢字・・・虺(まむし)、蟠(わだか)
※竊(ぬすむ、ひそか、ひそむ)、螭(みずち)
このNHK出版の本には、いろいろ中国の青銅器に関することが、ぎっしり整理されてまとめられていましたが、思いだして、視覚デザイン研究所
(早坂 優子)の方の「日本・中国の文様事典]も参照したところ、そちらもまた、文様については同様に、ていねいに整理されています。蝉や動物など
については、「殷の王朝の支配下の士族の土地や神の名前をシンボライズしたものと考えられる」とあり・・
メソポタミアから考えると、さもあらんとは思うが・・中国ではどうか・・もう少しみてみたい・・
なお、古代中国地理がよくわからないので、それは こちらへ
また、 中野美代子さんの『中国の妖怪 (岩波新書) 』ですが、「妖怪」などとあるので、まさか、このテーマ(青銅器の文様)を研究する本であるとは、気が付きませんでした(~_~;)→そういえば、ハックスリーのあの本の訳者でいらした。
→「青銅器の文様の中の龍」
鳳文(鳳文簋 西周時代)主文、口縁部、把手とも鳳文
A bronze Chinese ritual food container (gui) with two bird-head-shaped handles, from the early Western Zhou Dynasty, dated 10th century BC.
追記ですが、『すぐわかる東洋の美術―絵画・仏像・やきもの&アジアの暮らしと美術 』(竹内順一監修 東京美術)で挙げられているのは、以下の6つ
饕餮(とうてつ)文
蟠螭(ばんち)文
夔鳳(きほう)文
雷文
夔龍(きりゅう)文
雲気文
*饕餮文、蟠螭文、 夔龍文→「青銅器の文様の中の龍」へ銅器の文様ほど古代の造形精神を示すものはないだろう、動物をモデルにしたものと単なる図案として発達した2種に大別できる。(p107)
もっとも著名なのが「饕餮(とうてつ)文」
2つの目をもつ想像上の獣の目が原型。
全体に方形にあらわし、現代に引き継がれて、ドンブリの縁の文様にもなる。
横長の細長い文様である
「夔龍(きりゅう)文」「 夔鳳(きほう)文」は、
鳥と龍の文様が発達したもの。
他に実在の動物から生れた蛇や蝉の文様もある。
ここで、 「饕餮(とうてつ)文」が回文の原型であると言っていることになる.。・・・・どうだろうか・・
「美術」はどのようにして生まれたか、という根本の問いに答えているのが、中国古代の造形である」(p106) という。
美術は、人間の力が及ばない大自然の脅威に直面した時、その恐怖から逃れるために、自然界にまったくない架空の世界を構築して対抗する。殷の銅器はそのことを証明してくれる。
形も文様もすべての恐怖に打ち勝つかのように仰仰(おどろおどろ)しい。
その造形も空白があってはならず、器物の全面を文様で埋めつくす。
一方人間にとって害のない、やさしい存在、例えば飼いならした家畜や周囲の人間自身へは、親しげなまなざしを向ける。そしてすべてを詳細に知ろうと心掛ける。
その結果驚くほど写実に徹した表現となる。←俑
この二種類の造形を支えたのは、強大な財力を持った中国古代王朝であった
挙げられている図版は、
兵馬俑と 根津美術館の重要文化財:饕餮怪獣文方形盉(か)
殷後期(前13〜12世紀)
ただ今開催中の「始皇帝と大兵馬俑展」 https://heibayou.jp/(2016)図録の紹介
* 秦始皇帝(BC259 - BC210)
* 等身大の兵馬俑 紀元前3世紀 1987年3月発見(西安の中心部から北東に40キロほど離れた山の麓)
青銅器の文様については、龍文のまとめにwikipediaに挙げられるの文様項目も追記してあるが
以下に少々再掲すると、
中国古代青銅器の特色は、器形とともに、その表面を覆い尽くす複雑精緻な文様にある。これらの文様モチーフの大部分は、龍、鳳などの想像上の動物と、虎、象、羊などの実在の動物を含む動物文である。