黙示録の獣をみたあと、初めから逐語で読むことにして、まず七眼七角の仔羊をみて、 ついで、七つ頭の竜、人面イナゴ、、4つの生き物とバビロンの大淫婦を・・ このページでは、白い馬の騎士とサタンの最終敗北・・
ヨハネの黙示録(文語訳) 『舊新約聖書 』日本聖書協会、1950年https://ja.wikisource.org/
ヨハネの黙示録(口語訳)
『口語 新約聖書』日本聖書協会、1954年
https://ja.wikisource.org/
以下のwikipediaのまとめも再掲、
その10、12 がこのページの課題。
小河 陽訳『ヨハネの黙示録』p117
「白い馬に乗る騎士」ネーデルラントの黙示録写本、
1400年頃パリ国立図書館
血で染められた着物を身にまとった騎士は「神の言葉」と呼ばれる。ニンブスが描かれ、十字架の盾を持っている。目からは赤い炎が出ている。画面下では、彼が邪悪な者たちをさばき、火の池(怪物の口)へ導く。
※ニンブス=光輪
白い馬に乗る騎士の口から出る剣
死の顎(あぎと)
小河 陽訳『ヨハネの黙示録』p121
「中を底なしの深淵に投げ込む」『ベア―トゥス注釈書』
サン・スヴェール、11世紀中頃、パリ国立図書館
天使が深淵の鍵と鎖を持ち、天から降りる。そして竜、太古の蛇を捕まえ、千年間縛り、竜を底なしの深淵に投げ込んだ。竜は罪人のような姿をし、手と足を縛られ、地中に埋められている。(小河 陽訳『ヨハネの黙示録』p121)
一千年の期間が終わった時、サタンはその牢獄から解き放たれる。
そして、地の四隅に住む諸民族、
ゴグとマゴグを惑わし、戦いのために彼らを招集しようと、(牢獄から)出て行く。
彼らの数は海辺の砂のように多い。
彼らは地上に広い場所に攻め上った、聖徒たちの陣営と愛された都とを包囲した。
すると、
天から火が降り注いで、彼らを焼き尽くした。
そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄の燃える池に投げ込まれた。
同じ炉には
かの獣と偽預言者も投げ込まれていた。
ゴグとマゴグは旧約聖書に出てくる神に逆らう民族という。
wikipedia(閲覧20200721)によれば、イギリスには聖書に記述される「ゴグとマゴグ」が基になったと考えられる伝承がある。この「ゴグとマゴグ」は聖書の記述と異なり、「巨人の悪魔」であったとされる。」
小河 陽訳『ヨハネの黙示録』p123
「最後の審判」クイーン・エレナの黙示録写本、
1242‐50年頃ケンブリジj、トリニティ・カレッジ
死人たちは命の書に記録されていることに随い裁かれた。海は死人たちを引き渡し、黄泉も死人たちを引き渡した。画面の右上には、海から蘇る死人と、黄泉(怪物の口)から蘇る死人がいる。命の書に記載されていない者は再び黄泉ㇸ落とされる。
最後にこうなるなら、なぜ千年王国が必要とされるのか?そこが大事なのがわからない。
海から蘇るとあるのも、驚いた。
信徒のみが復活して「キリストとともに?」千年生きる? wikipediaで見ると、諸説あるようだ‥
小河陽さんは解説で、「本書で見られる反復や平行」について、「同一の出来事を異なった視点から何度、記述しているという理論」について語っている。(p141)
それとは少々違うのか?
複数の書の引用、旧約テキストを事由自在に利用、占星術的思弁、とも。(p143)
解説続きで
石原綱成さん(後述→mokusiroku5.html)によれば、
・・東方教会はこの書を聖典に加えることにローマ教会以上に消極的だった。それは「千年王国」として知られている「聖者の千年統治」「(黙示録20.1‐6)に対して疑問が持たれていたからである。(p152)・・
イエスの地上の生涯に対して完全に無関心あることは、福音書を生み出した初期キリスト教思潮とは全く別の思潮を代表するものである。(小河陽 p144)
(執筆意図)ローマ帝国の国家祭儀と支配者崇拝への参加について、 ユダヤ人は民族特有の宗教の特殊性が公に認められて参加義務が免除されていたが、キリスト教はそうでなく、迫害の強化が予想された。(p145)
(文学的・思想的特徴)ここで見られる黙示的ドラマはユダヤ教的終末の黙示の完全なキリスト教化。
ユダヤ教的黙示(神の救いの証):イスラエルの民の偉大な過去、遥かな昔の族長の神に頼る。
ヨハネの黙示録:イエスにおける神の救済行為とイエスの救済の業の完成への信仰。旧約聖書の伝統的テーマや表象を自分時代史に適用。(例:バビロン=ローマ)
黙示録解釈の学問的方法=伝承史、終末史、時代史
参考:佐竹明著『ヨハネの黙示録』新教出版社
上巻・1978、下巻・1989
このあたり、 アンリ・フォシヨン『至福千年』(神沢栄三訳、みすず書房)を以下で目次読書して補強したい。(続く)
黙示録の写本について(まとめ)&石原綱成さんの「黙示録の図像学」→mokusiroku5.html
怪物(まとめ)
「《驚異》の文化史」(オトラント大聖堂のモザイク他)
『ロマネスクの図像学 (教会の怪物)』、
『イタリア古寺巡礼』(アダムと動物)、
『怪物ーイメージの解読 』、
『奇想図譜』
LastModified: 2020年 …