草津市立水生植物園
蓮模様の水色のカバの模造
(実物はメトロポリタン博物館所収@NY)
草津市立水生植物公園
ロータス館展示
草津市立植物公園のロータス館には水性植物に関する展示だけでなく、ロータス文様の歴史・文物の凝縮された展示もあり、非常に魅力的であった。
■ロータス文様の道
■年表
年表(ハスと日本・・2001年のもの)
この年表について、きちんと見直したいのだが、データがこれだけしかなく、2012年には見かけなかった。
「日本唐草年表」(伊藤俊治 『唐草抄』p165-171 星雲社牛若丸の本 2005.12刊 Tosiharu Ito)は、飛鳥時代から記述されている。上の「ハスと日本」年表は107年から始まっているようだ。(倭国王帥升が中国に使いを送った年)→日本唐草年表でみることにしたい。
草津市立水生植物公園 (2012)
ロータス館再訪
なぜか龍がお出迎え「希(のぞみ)」という球をもっていました。いいですネ。 7月30日(2012年は龍年)
ご教授にしたがって 水に映る「逆さスイレン」写真などを撮ってから、展示室へ
■水生植物のルーツ
■水草の科学
■ロータスの美
水生植物のルーツ
ミズーリ州立大学のボタニカルガーデン1993よりとあり、
ハスは心皮が離生する、双子葉植物多心皮類「マンサク目」、スイレンはっそれより古い「古生草本目」という説明
近年の被子植物のDNA分岐系統の研究から、スイレン科のグループは被子植物の主グループから早い時期に分岐したことがわかってきた。しかしハス科はそれと違って被子植物の主グループに近いとされ、ヤマモガシ目に入れられている。(Wikipedia)
分子系統学的研究によれば、スイレン科やハゴロモモ科は被子植物の中で最も原始的な群に属する。一方ハス科はスイレン科などとは系統が大きく異なりヤマモガシ目に属する。
「睡蓮は被子植物の誕生の初期に分化した「古草本群」に入り、蓮は比較的後に分化した「真性双子葉植物」に入る。この違いは花粉の形態によくあらわれています。蓮と睡蓮を花粉交配しても受精できない。」
※上と下は、蓮文化研究会のページよりの引用
1・蓮は花の中央に雌蕊が入っている花托があるが、睡蓮には花托がない。
2・蓮の花弁はふっくらして幅が広いが、睡蓮の花弁は細長く花弁の先端が鋭角的。
3.蓮の葉は丸いが、睡蓮の葉には深い切れ込みがある。
4.蓮の地下茎は食用のレンコンになるが、睡蓮にはレンコンができない。
5.青い睡蓮はあるが、青い蓮はまだ発見されていない。
「水草の科学」
10年前と特に変わっていません。立派な見本です。 ここで復習です・・
ハスの生長 1年間のサイクル
夏、美しい花を咲かせる蓮はわずか4日間しか咲きません。 種子は花の中心の花托(花床)ででき、 花弁が散って熟すと、鉢の巣のような果托になって、水に落ちます。 固いからで守られた種子の芽は、次の春出るとは限らず、長い間泥の中で 眠っていることもあります。 いっぽう1年のうちに泥の中でどんどん成長した地下茎は、冬を過ごし、 春芽を出してまた花を咲かせます。
蓮の花の構造
茎の構造 「ハスの糸」
藕糸(ぐうし)=蓮の茎や根の細い繊維。蓮の糸。
葉の構造
[葉の中央の荷鼻(かび)(へそ、中盤ともいう)から、葉脈が20本以上放射状に走っている。 表面には、わずか100分の1ミリの毛茸(乳状突起)が一面にあり、水をはじく仕組みになっています。 荷鼻は薄い膜で、葉の茎(葉柄)との通気口になっていて、激しく気体の交換をするので、水がたまると沸騰しているように見えます。」
睡蓮の葉の構造
ロータスの茎の構造
ロータスの美の展示
「ロータスの美」
ハスの円柱上の 頭に蓮の飾りをつけている蓮の母神(女神)
(ボストン美術館Museum of Fine Arts, Boston蔵の模刻)
インダス文明(紀元前20世紀)サーリ・デリー出土
塚本洋太郎著『花と美術の歴史』(河出書房新社 1975):ハス母神像(ボストン美術館蔵)
紀元前2500~1600年に栄えていたインダス文明の遺跡から発見された大地母神の像の頭部に、蓮の花が見られる。
これが現在残っている最古のハスの美術であろう。
ロータスランプ(模造):1900-05年頃、ティファニー作
睡蓮文テーブル(模造):1900年頃フランス
参考サイト 松江市のルイス・C・ティファニー庭園美術館の展示(オリジナルはオークションで約3億7千万円であったとか) Flowering Lotus Table Lamp ティファニーオリジナルを参考にした市販品1792ピースのデザイン見本あり・・
H86.3×D63.5cm獅子柱頭(四獅子蓮華弁・模刻 前3世紀・インド)
→詳しくはこちらにて。荒俣宏著
『獅子 王権と魔除けのシンボル (アジアをゆく)』を読む
その他 参考サイト:アショーカ王柱(マウリヤ朝)
ロータス文様の道
エジプトのハスの壁画・円柱
インドのハスの関連文物:蓮華の中のヤクシニー(模刻 前2世紀)等
ヤクシニー像(インドのバーフルット出土)
塚本洋太郎著『花と美術の歴史』(河出書房新社 1975)より
周囲の模様は蓮の花で、手に持っているのは蓮の老花→→詳しくはこちらにて「ハスの花の四時期について」
アジアの仏教圏のハスの文物:ハスの花瓶等
日本のハスの文物:本草図譜(写真復元 江戸時代 国立国会図書館所蔵)、
木彫蓮華柄香炉(江戸時代)、
蓮華文鐙瓦(奈良時代、法隆寺より出土)等
国立公文書館『本草図譜』は、多年にわたって植物を研究し、『武江産物志』『草木育種』等を著した岩崎灌園の主著
*参考ブログ(忘れへんうちに 日本の瓦)これらの7つの壁龕の展示内容は楽しめる・・
そのほかに館内にはまだまだいろいろあり、・・
蓮の文化の世界が広いことを物語るものであった・・
ハスの折り紙
ハスの折り紙・・古くからお寺などで飾られていた折り方という
モネの睡蓮
西洋美術・・モネの睡蓮の模作@草津市立水生植物公園内