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聖なる植物

聖なる植物

『ネパール/インドの
聖なる植物』を読む

ロータス文様について、それは古代エジプトの聖なる植物のスイレンを根源としていることを見てきたのだが、ついで、仏教がその中から出てきたインドの伝統的宗教の中で、ロータスはどういうものであったかをテーマに、『ネパール/インドの聖なる植物』を読みます。

トリローク・チャンドラ マジュプリア、Trilok Chandra Majupuria著
西岡 直樹訳


内容(「BOOK」データベースより)
両国の文化に精通した著者が、信仰の対象であり、仏教やヒンドゥーの神々に捧げられるサラノキ、ビャクダン、インドボダイジュ、ウコンなど植物114種を紹介、その神話・薬効を解説。


八坂書房での紹介ページ(詳細な植物名有り)


何が植物と信仰を結びつけているのか

ネパールインドの 聖なる植物

目次読書

まえがき(6ページ)

植物の持つ宗教的象徴性と医薬としての実用性、二つの局面を関連づける
(宗教にみる樹木崇拝と人間の関係の根底に科学的な要素が作用していることを提示しようと試みた) ヒンドゥー教や仏教の祭礼に用いられる植物を学名や図を用いて解説


はじめに(5ページ)

ヒンドゥー教徒は50才を過ぎると、残りの人生を心御平安を獲得するために生きる。
(=林棲期ヴァーナブラスタ・・人生の第3の段階) 隠遁生活では食物は植物性以外のものは禁じられている


崇高(偉大)なる者のうちもっとも崇高(偉大)な神は授与者
見返りを期待することなく慈悲深く分け与え、捧げる者

植物は授与者であった

それ故に、樹木や草は、それ自体が神としてでなくても、 その代理として崇められる

第1章 崇拝のバックグラウンド(5ページ)
第2章 植物と俗信(10ページ)
第3章 聖なる植物の薬効(241ページ)


第1章 
崇拝のバックグラウンド

「ネパールインドの
聖なる植物」

ヒンドゥーの世界観・・ この世界に存在するすべてのものが生命を持つ
植物の持つ有用性・・ 布の繊維、紙、油、石けんの材料になる
樹木は 寿命の長い生物、神や女神の隠れ場
緑の枝葉、花、果実・・美しくまた不気味
樹木崇拝の背景には、信仰、迷信、思想、医学的重要性、そのほかの哲学的解釈があった

第2章
植物と俗信

「ネパールインドの
聖なる植物」

薬としての記述:人類のもっとも古い知恵の結集「リグ・ヴェーダ」に
(最後の巻の賛歌で特に植物の病気を癒す力礼賛)
ソーマは、母とか女神と呼ばれる草・木の王者
森の主(ヴァナスパティ)、 アブサラス(天界の水の精)の住み家
植物に関する考え方や概念の発掘調査 ※Wikipediaヴェーダ=知識

第3章
聖なる植物の薬効

「ネパールインドの
聖なる植物」

私のテーマ内としては、ハスの他、
ザクロ─ラクタカーリーに捧げられる果物」
オニバス─マカンのポップコーン」もそうだろうか・・
サトウナツメヤシ」もある。
あまり見慣れない植物名の中に、薔薇や桃も竹もありますが、また後ほど・・


「ネパールインドの 聖なる植物」P83 抜き書き

蓮華(ハス)と呼ばれるものには、スイレンも含まれており、 いろいろな色のものがある。
ピンク系のものは普通、イースト・インディアン・ロータスと呼ばれ、スイレン科のハスNelumbo nuciferaを指す。
薄桃色の蓮華はスイレン属のNynphaea nouchali,
青花はブルー・ロータス・オブ・インディアと呼ばれ、Nynphaea stellataに相当する。
サンスクリット語でクムダと呼ばれる白花のスイレンは、Nynphaea albaで、この花を(祭日に)ガネーシャ、ヴィシュヌ・ラクシュミーの祭壇に供える。


ハス─宇宙の扉

「ネパールインドの 聖なる植物」P74~84 抜き書き

学名: Nelumbo nucifera

もっとも神聖な植物
「他の追従を許さない人気はこの植物が東洋起源だからであろう」
「サンスクリット語の詩人達にとってハスは美の象徴そのもの」
『リグ・ヴェーダ』には 白花と青花の二種類のハスが述べられている。
青いハス=プシュカラ(湖・匙のくぼみ)
『タイッティリーヤ・アラニヤーカ』
宇宙が水であったとき、万物の主プラジャーパティ唯一人がハスの葉の上に生れ出た
ブラフマー=ハスから生まれた者 (『マハーバーラタ』)
ハスの花の象徴:偉大なる人物や神の誕生を暗示・象徴
原初の水からの奇跡的誕生、神の純粋性の象徴

紀元前約200年以降からすべての仏教の記念物に、
ハスが刻まれている


「ネパール・インドの 聖なる植物」P78
もっとも際立ったハスの描写 ガジャ・ラクシュミーの絵
ラクシュミーが蓮の台座に座し(たち)両手にハスの花を持ち そのハスの花は両側から二頭の象(Gaja)によって水をかけられている


この本の表紙絵がそれです
「ネパール・インドの 聖なる植物」P77
パドマー(ラクシュミー)は,ある時は両脇に二つのハスの花と二つの蕾を置き、ハスの台座の上に坐している。
腕の上部にはアームレットをし、手首には大きな真珠のブレスレットをしている。
ハスの花の女神
大地の生殖的エネルギーを表す 母神
物質的世界における幸運の象徴

上の右手は与願印を結ぶ
左手にハスを持つ
タントラにおいては、カーリー女神もハスと深い関係をもつ
ネパールでは普通、上の右手に血の滴る刀、下の右手に鋏、上の左手に人の頭、下の左手にハスを持つ(?)
http://en.wikipedia.org/wiki/Kali

図像検索

■◎http://www.abaxjp.com/ind07-kailasanath/ind07-kailasanath.html
ヒンドゥ教のカイラーサナータ寺院(シヴァ神の住まい)の彫刻
http://www.k5.dion.ne.jp/~dakini/tenjiku/zukan/laksmi.html
天竺奇譚 インド神様図鑑:ラクシュミー お姿集. ・ガジャ・ラクシュミー(蓮、後に象さん)
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/2995/gaja.htm
ラクシュミー・・・幸運の女神
http://www.pandaemonium.net/rdb/menu/file/2114.html
ラクシュミー ( ラクシュミー ) 英名: Lakshim(※?)⇒「吉祥天」
※英語ではLakshmi◎(Wikipedia英語Hindu goddess)
http://www13.plala.or.jp/SPICE-VILLAGE/photo/hindu_gods/photo.html
ヒンドゥの神々の写真

蛇画像:Lakshmi with Vishnu at Vaikuntha◎(Wikipedia英語

ディーワーリーDiwali

■インドのお祭り(英語)http://www.festivalsinindia.net/goddesses/lakshmi/
Lakshmi Pujaと関連付けられる聖日 Hindusの最も大きい祝祭 http://www.diwalifestival.org/
■◎http://sanathanadharmahinduismo.blogspot.com/
インドのお祭り(花祭り)の写真がいっぱい(読めないですが)

2013-02-08me 各項目はよく見ていなかったが、
クシャソウに関連するページをこちらに作成しました。

STARWARS

me アナキン・スカイウォーカーの愛妻の名前は「パドメ」
この命名にパドマー(=ラクシュミー)のイメージがかかわっているように思える。(印象)
手に蓮をもつ者」(※男:パドマ・パーニ、女:パドマ・ハスター)
観音(Padmapani、Khasarpana) https://en.wikipedia.org/wiki/Vajrapani

Mahabodhitree
「ネパールインドの 聖なる植物」P85~94 抜き書き

インドボダイジュ

主要三神の住家

学名:Ficus religiosa

ヒンドゥーの主要三神、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァが住むという神聖な植物
永遠性,不朽生
サンスクリット語でアシュバッタという、絵が地に深く入り込んでいることをあらわす

釈尊は、完全な悟りを得る決意をもってこの木の下に、東を向いて座したという。
それから7日の間、そのボーディー・ドルマ(bodhi-druma 悟りの木)の木陰に座し続け、悟りの無上の喜びに浸ったという。
釈尊は、我としての存在から来るあらゆる執着、その奴隷状態の根本原因を解き明かした。それは、命あるすべてのものを魔法にかけてしまう生来の無知、すなわち人の運命をあやつ無明からくるものなのである。また彼はすべてのものの中に内在する、生存へのわけもない渇望にも気付いた。そしてすべてのものは、生まれ苦しみ、衰え、死に、また生まれ、輪廻転生することを見た。
抗して釈尊はこの木の下で、解脱にいたつ神の悟りと心の平安、すなわち、ボーディ(菩提)を得た。この木がボーディ・ドルマ(菩提樹)と呼ばれる由縁はここにある。 七日ののちに釈尊はその木から、巨大なベンガルボダイジュの下に移り、そこから三番目に、仏法で「龍王の木」と呼ばれるムチャリンダの木の下へ行ったという。

インドボダイジュは非常に寿命が長い。

民間では蛇の神ナーガのの棲家であると深く信じられている

宗教的に非常に重要な木で、この木の下で裁判をしていた地方は少なくない

インドボダイジュはさまざまな祭礼で礼拝の対象となる。
ガネーシャの名のもとに祭礼がおこなわれ、木の王とよばれる
ヒンドゥー教徒の結婚式そのほかの宗教的儀式も、この木の下でしばしば行われる
ヴェーダの木


インド文化についての検索

◆インドのスパイスや豆(ダール)などがある、http://raani.org/faq/faq.htmより引用
インドの花嫁さん表すシンボル=鼻ピアス

インドの少女は鼻の(自分から見て)左側にピアスをします。別に時期は決まっていなくて、 やりたくなったらやればいいという感じです。だいたい小学校の高学年ぐらいが多いようです。 鼻にピアスしないまま大人になってもかまわないのですが、結婚が決まったら必ず あけます。 なぜなら、花嫁さんには「ノーズティカ」が欠かせないからです。 日本で言ったら「文金高島田」「白無垢」みたいなものでしょうか?

「イチャダリ」(人間になったコブラ)

インド人はコブラが100歳になったら人間に変化(へんげ)すると考えています。 人間になったコブラのことを「イチャダリ」と呼びます。 イチャダリは、普通の人間と違って「黒目が大きく決して瞬きをしない」ので すぐ見分けがつきます。

「ハスの美術と歴史」
塚本洋太郎

蓮の文華史』(三浦功大編 1994 かど創房)には、この、T・C・マジュプリア著 西岡直樹訳の『ネパール インドの聖なる植物』の蓮の部分から9ページ収録されていました。(「ハス─宇宙の扉」の章)
そのほかにもいろいろ40編ほど集められているが、その中の一つが、 花卉園芸学者 塚本洋太郎さんの「ハスの美術と歴史」というタイトルで、これは、(『花と美術の歴史』(河出書房新社 1975)所収のもの 。
*塚本洋太郎(1912-2005) wikipedia

そこで、取り上げられている文物は、
ハス母神像(ボストン美術館蔵)*
ヤクシニー像(インドのバーフルット出土)*
橘夫人厨子後塀(法隆寺)
平家納経(法華経信解品表紙の蓮唐草)(厳島神社)
虎渓三笑・蓮図(ボストン美術館蔵)
徳岡神泉「池」1952 (京都国立近代美術館蔵)
狩野正信「周茂叔愛蓮図」
金銅宝草華文磬(けい)(福井県 滝谷寺)
色絵蓮池かわせみ文平鉢(日本民芸館蔵)*
(→*印は、草津市立水生植物公園ロータス館での模作の展示に、同様の作品あり)

塚本洋太郎:「ハスの美術と歴史」

インドのハスの美術
ハスの花の四時期について

(インドの浮き彫りで)興味深いのは、ここに描かれた蓮の花が、蕾、半開きの花、完全に開花したもの、老い花になって花弁は外に垂れ、上の方の花弁はかぶさるようになったものと、四時期に描き分けられていることである。

(インドの浮き彫りで)興味深いのは、ここに描かれた蓮の花が、蕾、半開きの花、完全に開花したもの、老い花になって花弁は外に垂れ、上の方の花弁はかぶさるようになったものと、四時期に描き分けられていることである。

このヤクシニーが右手に持っている花は、奇妙な形をしているので、これだけからは何の花か見当がつかないが、蓮の花の四時期を描いた浮彫と比べてみると、これが、ハスの老花を表していることが理解できる。

エジプトでは、ツタンカーメンの王の首がスイレンの花にオのせられているものがあるが、インドの仏陀や菩薩は、どうしてスイレンには乗らず、ハスの花の上にだけ坐ったのだろうか。それは、二つの花の老花の状態の違いが原因だと思われる。


橘夫人厨子後塀(法隆寺)

中央上部の模様化した蓮の下の方に、天女が、ハスの果托に乗っているのが見える。
これに対して、上の方―模様化したハスの花の左右―に見られる仏たちは、花弁の立った若い蓮の花の中に座っている。つまり、位の差を表すのに、若い花と老花を使い分けているのである。
ハスと異なり、受精後は水中に入って結実するスイレンの花では、老花を台にすることはできない。このような差が、ハスを選ばせることになったのであろう

これまでも、蓮華座、ハスの上に坐るということをみてたが、ハスの花の四つの状態、四時期というのは、あまり考えていなかった・・・
スイレンよりハスを選ぶということだが、インドでは、スイレンは

飛鳥資料館の飛天資料より引用
奈良国立博物館展

仏教と蓮唐草

これについては、私のテーマとして、
時空が新しすぎ広すぎるので、一応
日本唐草年表、「仏教美術のイコノロジー」を読むあたりで、おさらいして、置いておきます。

(以下 続く 予定)

象徴・文様・文化

美術用語 「アカンサス」 「アンテミオン」 「アラベスク」
アカンサス ハス ナツメヤシ ブドウ ボタン ツタ
モティーフ ロータス パルメット 渦巻 ロゼット メアンダー

生命の木 聖樹


ロータス
蓮・睡蓮


西岡直樹訳・著


定本 インド花綴り2002


サラソウジュの木の下で―インド植物ものがたり2003

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