リーグル「美術様式論」のp75から79ページを読む・・抜き書きノート・
美術的遺物では、最古のものと考えられる二つの様式化した花形
側面形のロータス花(第8図は「いわゆるパルメット」)
この両植物の文化的意義はヘロドトスの記述が貴重な根拠になっている
第7図 側面形のロータス花 (推定ロータス) はっきりと三角形の花弁を持った図様 |
第8図 側面形のロータス花(いわゆるパルメット) (いわゆるパピルス) (推定パピルス) 釣り鐘型をあらわし花弁がない |
パピルスのページ
古王国美術では、この両種の側面形がかなり厳密に区別されていた
新王国美術では、両種間の厳密な差別はもはや無かった
P.76
古代エジプト美術史家 ペロG.Perrot
釣り鐘型で三弁のロータス萼をつけたパピルス側面形を発見・・「水草」とよぶ
これについての解釈の案・・
「新王国美術では、伝承の象徴を装飾文様化しようとする傾向があり、これがロータス型とパピルス型とを混合させた」
これは、新王国エジプト人の宗教観において両象徴が混合したことを前提としなければならないが、
その象徴的概念の変換についての証明は認めえない(この解釈の不満足な点)
アメリカの研究家グッドイーヤW.G.Goodyearの解決・・P.77
釣鐘型図様をパピルスとする考えが誤り
その証明・・象形文字において釣鐘型を冠付けたものを、必ずしもパピルスと解釈すべきでない
下エジプトのパピルス地方に関係を持つその冠付けは、単にパピルスにあてはまるのみでなく、
三角形花弁側面を持ついわゆるロータスにもあてはまる。
同じ花を象徴化した両種のタイプ間に存する相互関係が明らかになった
※Art in theory, 1815-1900: an anthology of changing ideas - Google ブック Charles Harrison, Paul Wood, Jason Gaiger - 1998 - Art - 1097 ページ
第9図 ロータス葉 |
遺物文様にくりかえしあらわされたロータスの葉形は Nymphaea Lotusの先の割れた葉の形に一致する Nymphaea Nelumboの漏斗状の葉とは一致しない |
エジプト・ロータス=睡蓮のページ参照
(※ミケネ美術のキヅタの葉は、この尖ったエジプト式ロータス葉の伝承だとするグッドイーヤの説については後ほど考察、という)
第10図 ロータス蕾 |
エジプト美術のロータス蕾は、チピカルな水滴型 しばしば、こまごまとした分岐を捨てている |
第13図 側面形のロータス花 |
p.82 側面形のロータス花の型は、時代の推移とともに 二三の省略形を持ってくる |
第7図 |
⇒ | 第13図 |
⇒ | 第8図 |
側面形のロータス花
第14図 釣鐘型のロータス花の柱頭 |
第8図 |
第7図 |
こちらは蓮です
スイレン
アカンサス | ツタ | ロータス | ブドウ | ボタン | ナツメヤシ |