メソポタミア様式
アッシリア式
聖なる樹
アッシリア人の「聖なる樹」は決して樹の描写といえない
「美術様式論」P125
不当な意味と分布とが強いられた文様
今まで、不当の意味と分布とが強いられていた一つの文様、すなわち「聖なる樹」
この「樹」は「紋章風様式」で対置させられる二獣を分ける、もっとも都合のよい手段であった。
主たる意味はギリシア式(花の陶壺)と考え合わせられて、一種装飾的なもの
「美術様式論」P124
自然の樹木は基本形が左右対称性を示しているものはない・・
従って、樹葉装飾では広くは使用されなかった。
古代エジプト美術では、樹木は、対象的(写実的)意味のゆえに用いられる
例:テル・エル・アマルナの庭園の描出・・・非左右相称性
アッシリア→左右相称的なパルメット扇形
「美術様式論」P124
家具式に結合された図形
二つの四角な柱・・アッシリア人の家具のように、莢によって上下に結合されている
家宝の柱は短縮された(扇形のない)パルメットの上に伸ばされ、
上方の柱は扇形の冠頭部にパルメットをのせている
莢は二つの扇形のないパルメットによって結合され、その一は上を向き一は下を向く
→
埃及の短縮形パルメットの表現法と同じ
柱は樹幹の特色を持っていない
柱にまつわったパルメット絡みも樹葉の印象を与えない
扁平な弧によって結ばれた一群のパルメットを持って巡らされている
各パルメットは(上方の三つを除いて)さらに一つの帯によって幹に結びつく。
「美術様式論」P125
ニムルド レリーフ
家具式に結合された、という表現に驚く・・
パルメット唐草 そして、たしかに、パルメットは結合されているが、まつかさは違う・・
左右対称性は両方すごい
フェニキア美術にも同様の文様がある。
そちらのほうが古い
メロダハ・イディン・アキ王(※?)の浮き彫り図形は西暦前12世紀まで辿りうる
植物文様の結合法としての渦紋が、メソポタミアでは欠けている
このことは強く強調されるべき
アロイス・リーグル「美術様式論」P126
左 図39 右 図88pの一部を比較のため回転
このアッシリアの聖なる樹は第3章ギリシア美術における植物文様の
「7 唐草笹縁の完成」で、
第88図のいわゆるカルキディケ陶壺の広幅文様と比較されている。
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