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美術

中世彫刻の様相(アンリ・フォシヨン)

me アンリ・フォシヨンの「ロマネスク彫刻 形体の歴史を求めて」(辻 佐保子 訳)

目次

序言

一章 中世彫刻の三つの様相(p21-37)

二章 壁面彫刻の諸原則

三章 混乱

四章 ヘレニズム美術の残映 アーチ列に並ぶ人物群

五章 準備段階の諸経験

六章 ロマネスク彫刻における配置と機能)

七章 配置と機能(承前) 十一世紀におけるさまざまな探究

八章 変身(メタモルフォーズ)

九章 運動の研究 アルベルティの窓 運動を産み出すものとしての均衡の保証

十章 中世における幾何学術

十一章 浮彫と肉づけ

十二章 ロマネスク美術の終焉

訳者あとがき

索引

ロマネスク彫刻関係地図

第一章 中世彫刻の三つの様相

 

1 彫刻と図像
――叙事詩 百科全書 劇作法としての図像学

2 彫刻と宗教思想
――精神の系譜 幻視者と弁証家 位階の秩序として      の、現実それ自体としての自然

3 彫刻と形体学(モルフォロジー)
――進化論批判 様式と様式論 経験、技法、影響の      諸概念 建築における彫刻

中世の彫刻は当時の世界を映す映像、一つの歴史圏、一つの社会、一定の方式に従って生活し、感じ思索することの全体を反映している

完全な形でこれを考慮しうる学問とは、図像学と哲学と形体分析とを同時に研究しうる体制を整えたものでなけらばならない

図像学研究の一新 エミール・マール(ソルボンヌ大学のフォションの前任者)

エミール・マール以前のディドロン(19世紀のビザンティン学者) 美術作品が教化的な価値を持っていた(教会壁面が大衆教育の場であった)時代、作品の「主題」を知る事は極めて重要であった
大聖堂の壁面 信仰と伝統と思想の膨大な貯蔵庫 彫刻は一つの言語である

図像学の素材は、明瞭に性格を異にするいくつかの時期に話分割される

中世初期の混沌

6世紀における「古代ギリシアの造形精神に対する東方の装飾本能の決定的勝利」

クリュニー改革派の活躍により、フランス南部に彫刻が復活し「ギリシア的な作品」の創造再開

12世紀 叙事詩的 本質的な特質と開花

Moissac (82) Porche 05

図1 モワサック サン・ピエール修道院教会 玄関口西側壁
「貧者ラザロと悪しき富者」「吝嗇」「淫乱」(p23)
2014k/moissac.html 

「貧しいことはその当時尊いこととみなされていた」(エミール・マール)
ラテン語キリスト教文学の古い詩であるプルディンティウスの『プシコマキア』が石の浮彫の上に復活

巡礼と遺物崇拝の世紀
黙示録のカンタータがその壮大な調べを初めて鳴り響かせたのはモワサックにおいてであり、フランス南部の全域に伝播することになる一定の図像を表す様式が決定されたのもモワサックになるおいてであった

しかし北部の諸地域も、旧約・新約両聖書の神秘的な照応というテーマを復活させることにより、十二世紀の宗教思想に貢献した
シュジェールはサン・ドニ修道院を一大工房と為し、そこに集められたマース川流域の貴金属細工師たちは、新しい表現の形式を洗練していった
2014k/gothic-architecture.html

シュジェールは、キリストの到来を予告した預言者や王たちの彫像をバシリカの扉口の両側面に建立した
彼は古きユダヤの聖書から積み重なる過去の埃を取り払い、これ(旧約聖書)を福音書へと信者を導く大きな玄関口となしたのである(p24)
(現在は人像からなるこの扉口は、わずかにモンフォーコンのデッサンによって知られるにすぎない→ ※人像円柱2014k/saint-denis.html

13世紀は、もはや叙事詩や巡礼や「幻想」の時代ではなく、秩序の恩恵に浴することとなる
同じ思想を背景として一時に大聖堂と百科事典とを生み出した(p25)

me 以上、アンリ・フォシヨンの「ロマネスク彫刻 形体の歴史を求めて」(辻 佐保子 訳)第一章の抜き書きと、図の検索でした

美術史家65

イタリア人 ・ ドイツ人 ・ フランス人・ イギリス人ハインリヒ・ヴェルフリン
ドイツのヴィンケルマンヴァールブルク そしてウィーンのアロイス・リーグル

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