アマゾネス、アマゾン族
この
ギリシアの古壺の、アキレスと戦っている(…というか、今敗れてまさに殺されている)アマゾンの女王ペンテシレイアの、衣装を見ると・・・今までは、
片方の乳房を切った片肌脱ぎの姿で描かれているのだろうと思っていたのだが、それはわからず、豹の毛皮を着ているのだった。
どういうことなんだろうか…
エジプトにおいて豹の毛皮を着る意味は、後継者と言う意味を表していた。
…??…
アマゾネスのこの姿は、
単なる、弓矢を使う女性狩猟者ということしか表していない
…??
アマゾネスを考えると、それは
ハンサムな彼女…男性差別?・・という感じなのだが、昨日読み始めた「描かれた身体」 というスリリングな本の、足、背中、乳房、手、頭部と続く章の中の、第三章で、キリスト教の聖女アガタについての話が以下のように出て来る。
「描かれた身体」 小池寿子著(2002 青土社)
Agathaアガタは 「…なしに、…を欠いて」を意味する「a」と、geos大地を意味する「theos」に由来し、地上のものへの愛を持たない「大地なき女神」を意味する
アマゾンは 「欠いた」を意味する「a」と、乳房を意味する「mazos」に由来するとされ、多くは、あらわにした片方の乳房と衣服に覆われたもう片方の乳房によって、女性性と男性性を示す姿で現された。トロイア戦争においても勇猛果敢に戦って果てたアマゾンの女王たちは、かの《美しきアルテミス像》を生んだエフェソスの地で、片方の乳房だけで女児を養っていたのである。
??地上のものへの愛を持たない「大地なき女神」??(^_^;;
…もう少し読まねば…。
ここらへんが性急な感じでわからないので、
DELPHICAさんに見ていただいたところ・・
ちなみにヘラクレスの12の偉業のひとつは アマゾンの女王ヒッポリュテの腰帯だそうだ
ホメロスの『イリアス』では、アマゾンは一時期リュキア近辺まで勢力を伸ばしていたが、ベレロポンとプリアモスによって撃退された。
しかし、トロイア戦争においてアマゾンはトロイア(イリオス)側についた。これは女王ペンテシレイアが、テセウスとの戦闘の際に誤って前女王ヒッポリュテを殺してしまい、その贖罪のためであったとされる。アマゾンは女王ペンテシレイアに率いられ勇敢に戦ったが、女王はアキレウスに討たれてしまう。アキレウスは死に際のペンテシレイアの美しさを見て恋に落ち、彼女を殺したことを嘆いたという。
ホメロスの叙事詩は、朗誦の開始において、「ムーサ(詩神)への祈り(英語:Invocation to Muse)」の句が入っている。それは、話を始める契機としての重要な宣言と共に、自然な形で詩のなかに織り込まれている。『イリアス』では、最初の行は次のようになっている: Menin aeide, thea, Pele-iadeo Akhileos 言葉の順番に意味を書くと、次のようになる: 怒りを 歌ってください 女神(ムーサ)よ ペーレウスの息子である アキレウスの(怒りを)……
それに関して閑話休題(20061222)
Dan Simmons ダン・シモンズは、2003年に『イリアス』を翻案した叙事詩的SF小説『イリアム』("Ilium")を発表した。この小説は、2003年の最優秀SF小説としてローカス賞を受賞した、ギリシア神話とSFをみごとに融合させた、波乱万丈のSF叙事詩という。。ハイペリオン四部作(1989~1997)からもう10年も経っている?…今年の6月に翻訳が出たのだが、二部作でもあるし、文庫本になるのを待っている…愉しみ!
彼は
ムーサへの語りかけをちゃんとやています・・そしてだんだん「ええい知ったことか~」と。(^^)/
WEB検索…アマゾネス…
http://www.antike-am-koenigsplatz.mwn.de/
https://en.wikipedia.org/wiki/Penthesilea_Painter
ギリシア人の女嫌いがアマゾンの発明によって暴露される(p225)
「ペルシア戦争中にアマゾンのイメージが多量に出現したことは特別な象徴主義が存在したことを雄弁に物語っている。」と、ナイジェル・スパイビー(ギリシア美術 (岩波 世界の美術))
*アマゾン≒ペルシア人という象徴
挙げられているのは、ニオビーデの画家の赤像式クラテルの絵(図138 アマゾンを槍で殺すギリシア人)
パレルモPalermo、国立考古学博物館蔵
it.wikipedi20151020閲覧(州立?)
パレルモPalermo、国立考古学博物館蔵 ボリュートクラテルGの1283
頭の上にスフィンクスを載せている?
ギリシア人の兵士の胸にはアンテミオン?というのは良しとして、
アマゾンの胸にはゴルゴン?
兵士の胸のマークの上は雄のマークに見え
アマゾンのは雌のマークに見える
The online magazine of the Getty
http://blogs.getty.edu/iris/getting-to-know-the-gela-krater/
Attributed to the Niobid Painter
Greek, 475–450 B.C.
Terracotta
Museo Archeologico Regionale, Agrigento, Sicily
Gela Krater
View of Stories of the Trojan War (Gallery 110) at the Getty Villa featuring the Mixing Vessel with Greeks Battling Amazons (the Gela Krater), Greek, 475–450 B.C., attributed to the Niobid Painter. Museo Archeologico Regionale, Agrigento, Sicily
Greek soldiers of Greco-Persian Wars. Left - Greek slinger. Right - hoplites. Left hoplite's shield has a curtain which serves as a protection from arrows.
「アマゾンの擬ペルシア的服装」とあるので見てみたが、図上の右のギリシアの重装歩兵での服装(プロテクター)なのであるが、タイツ(ズボン)図下の左のペルシア形なのだろうか・・
Amazon wearing trousers and carrying a shield with an attached patterned cloth and a quiver. Ancient Greek Attic white-ground alabastron, ca. 470 BC, British Museum, London
Niobid Painter
古代ギリシアの赤像式陶画家。アッチカ地方で前475~前450年頃に活躍。パリのルーブル美術館所蔵のニオベの子らを描いたクラテルからこの名前で呼ばれる。この絵の,人物を土坡(どは)によって上下に配分する遠近法的な表現から,この画家が,当時の大壁画画家ポリュグノトスやミコンと最も近い関係にあり,最も野心的な陶画家であったことがわかる。ブリタニカ国際大百科事典↓代表作
Pottery database:CLASSICAL ART RESEARCH CENTRE and THE BEAZLEY ARCHIVE:古典美術研究センター サー・ジョン・ビーズリーアーカイブ(John Davidson Beazley )古代ギリシアのアッティカ(アッティケー)系の陶器の壷について、様式による分類を提示したことで知られる。)
この壺絵にもグリーク・キーが見られますが、 ギリシアの壺絵(陶器画)に見る 「アマゾンの擬ペルシア的服装」から、話を、古代ギリシアに戻します→
西洋建築史⇒「建築-美と空間」⇒パルテノンのフリーズの解釈、 ⇒フリーズのギガントマキアーと蛇(女神の蛇のマント)
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