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ハルピュイア


Harpy tomb lycia I (cropped).jpg
"Harpy tomb lycia I (cropped)" Wikimedia Commons.

「ハルピュイア 浮彫」前480年頃、クザントス出土、大英博物館蔵

 

 『ヨーロッパの文様事典』、(p148)ハルピュイアの説明だが、

女性の頭と胸と禿げ鷲の下半身の姿を持ちセイレーンに似る。汚らわしい猛禽で、子どもや食物を略奪する恐ろしい怪物である、嵐や竜巻を擬人化したもの

・・とあるのだが、このレリーフ、けがらわしいという感じではない・・どうなんだろう


Romanesque reliefs of harpiesであるが、そちらもそこまで感じられないのだが・・

Centaure et harpie, côté harpie.jpg
"Centaure et harpie, côté harpie" Wikimedia Commons

Wikipediaによれば、ハーピー(英語: Harpy)は、ギリシア神話に登場する女面鳥身の伝説の生物で,掠めるものという意味だという.(ヘーシオドス『神統記』265~269。アポロドーロス、1巻2・6) また、

イアーソーンによる『アルゴー号の探索(アルゴナウタイの冒険)』に登場し、罪を犯したピーネウスを苦しめるエピソードが有名。
黄泉の国の王ハーデースまたはゼウスの手下であり、老婆のような顔、禿鷲の羽根、鷲の爪を持つ。 (Wikipedia 20141110)

ところでネットで画像検索をすると、どうもセイレーンと混同されている・・
下の説明もセイレーンであった

Terracotta aryballos (perfume vase)

『ヨーロッパの文様事典』(p148)で「ハルピュイアのアリュバロス」:前590~前580年ごろ、ギリシア製、 ミュンヘン国立古代美術館Antikensammulugen蔵・・とされるものと同様の図柄なのだが・・
※香油壺(Aryballosアリュバロス)・・これを持つ墓碑は、運動選手を象徴するようだ

Phineus and the Harpies by Willy Pogany.gif
"Phineus and the Harpies by Willy Pogany"Wikimedia Commons.

Harpy.PNG
"Harpy" ウィキメディア・コモンズ .

[この用語はしばしば邪悪な女(魔女)を記述するために比喩的に使用されます。](fr.wikipedia)
 

近代絵画であるが・・William Blake(1757- 1827)、 Willy Pogany (1882–1955)・・こんな感じ・・

The Wood of the Self-Murderers.jpg
"The Wood of the Self-Murderers" by ウィリアム・ブレイク - Tate Britian (wikipedia)

ダンテ(Dante Alighieri、1265- 1321)の叙事詩『神曲』地獄篇で、「自殺者の森」において、自ら命を絶った者が変容した樹木を啄ばむ怪鳥として描写されている。

『ヨーロッパの文様事典』、(p148)「幻獣文様」として、セイレーンの項目とハルピュイアの項がありますが、その図版、
セイレーン:「泣くセイレーン」 前4世紀、アテネ出土、アテネ国立考古博物館蔵
「オデュッセウスとセイレーン」2世紀中頃、エル・ジェム出土、チュニス、バルドー国立美術館
「オデュッセウスとセイレーン」前490年頃、ヴルチ出土 、大英博物館蔵
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Mythological hybrid

 

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First update2014、 2015/02/16;Lastmodified 2025/09/28  

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