イギリスの戴冠式の杖
Coronation of the British monarch = 戴冠式王笏(Septre)は2本
十字架笏(The Septre with the Cross)
・・・約90センチ、ねじれ模様の金の棒、両端は琺瑯、宝石がちりばめられている
鳩笏(The Septre with the Dove)
・・・約108センチ、金の棒、琺瑯製の白い鳩と、530カラットのダイヤ「アフリカの星」その上にイチハツ(アイリス)の台座十字架を冠した王珠
「王の力と正義の印である王笏をお受けください」 ・・・十字架笏を王の右手に握らせる
「公正と慈悲の笏をお受けください」
・・・王の左手に鳩笏を握らせる
大主教の祈り・・
「すべての聖なる願い、すべての良き勧め、すべての正しきわざの源泉である神が、あなたが神のお与えくださったすべての権限を行使するときに、あなたを導きお助けくださいますように」
そして
{義務を怠らぬほどに慈悲深く、慈悲を忘れぬほどに厳しく、正義を行われますように、不正なるものを罰し、正しき者を守り励まし、国民に進むべき道を示し、彼らを導かれますように」。
(蒲生俊仁「イギリスの戴冠式―象徴の万華鏡 (1979年) (神道文化叢書〈8〉)
」)
右の肖像写真の裾模様を拡大しました アザミ(シスル)です。 |
国花(Wikipedia)
国花はそれぞれの地域が持っている。
イングランドはバラ
ウェールズはラッパズイセン(スイセンの1種)。
リーキもより歴史のあるシンボルだが、リーキは花ではない。
北アイルランドはシャムロック(Wikipedia)
スコットランドはアザミ(Wikipedia・・・触れれば痛い草の代表である。スコットランドでは、そのトゲによって外敵から国土を守ったとされ、国花となっている。)
ウェールズとリーキ(Wikipedia)
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リーキは、ラッパスイセンとともに、ウェールズの国花・国章である。
国花というが、リーキの花ではなく、食用とする茎葉の部分が国花となっている。
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640年にCadwallader王率いるウェールズのブリトン族
が外敵のサクスン族を迎え撃ったとき、ウェールズの
守護聖者St. Davidは敵味方の区別がつくよう、味方
の兵にリーキをつけさせた。
目印のない敵は互いに同士討ちして敗走したという。
という伝説に由来するそうです。
しかし、同書によれ
ば、
古代の兵士は戦傷よけのまじないとしてリーキを
身につけており、西暦500年頃にはすでにウェールズの
兵士はリーキを身につけていたらしい、ということです。
ネギやニンニクなどを魔除けとするのは、洋の東西を 問わず広く見られる民俗なので、ウェールズの兵士が リーキを身につけたのもそういう民俗の一環かもしれ ません。
同書によれば、また別の説として、
農事での相互扶助の確認のために、ウェールズ人が互い
にリーキを持ち寄って会食したしきたりに由来する。
さらにまた別の説では、
St. Davidは、Monmouthshire の Hatterill Hills の
valley Ewias に隠れ住み、ここでリーキだけを食べて
すごしながら瞑想のうちに一生を終えたので、この聖者
をしのんでウェールズ人はリーキを身につけるのだという。
などという説もあるそうです。
何にしてもリーキとSt. Davidとの結び付きが強そう
ですね。
さらに、シチリアにはリーキと聖ペテロの母親に纏わる
民話があるそうです。
ちなみに、もう一つのウェールズの国花であるラッパ
ズイセンとリーキの関係は、ウェールズ語の
"Cenhinen"(リーキ)と"Cenhinen Bedr"(ラッパズイセン)
が似ているためだとか。
で、"Cenhinen Bedr"というのは「聖ぺテロのリーキ」
の意味だそう(※1)
ネギ属共通の魔除け信仰(※2)といい、聖人との関係と言い、
何にしても、リーキはある意味「聖なる植物」の系譜
につながりそうな感じですね。
リーキ
Saint_David's_Dayを検索
http://en.wikipedia.org/wiki/Saint_David's_Day
※「ウェールズ語、Cenin(にら)、
およびCenin Bedr(水仙、文字通り「ピーターのにら」):同様の名前を持っている」
ありがたみが薄れるかもですが、聖ペトロは「ピーター」であったか。
3月1日がSaint_David's_Dayでカードまで送ったりするんですね
http://www.walesonline.co.uk/e-cards/
リーキ
オニオン ガーリックと同じで
悪霊よけという意味合いが一番先ににくるということであろうか。
エリザベス一世戴冠式ドレス、杖 戴冠 1559年1月15日
Elizabeth I in her coronation robes,
patterned with Tudor roses and trimmed with ermine.
(チューダーローズの型と白テンの毛皮の縁取り)
イングランドのチューダーローズだけだったようです、
Royal arms of Scotland
このスコットランドの国章ですが、
ユリなのか剣なのか、草なのか王冠なのか・・・という印象を出しておきます。
中世を通して、そして今日でも、キリスト教の権威の象徴として、硬貨、図像学、レガリア(王権の象徴)で使われる。
また、世界(球体)に対するキリスト(十字架)の支配権を象徴する。地上の統治者(時には天使のような天界の存在)が、文字通り手で持つことで、支配権を表す。
キリスト自身が宝珠を持つ場合は、西洋美術の図像学では「世界の救世主」(en:Salvator Mundi))として知られている。王笏と組み合わせて描写されることが多い。
モードの生活文化史 マックス・フォン・ベーン 河出書房新社
女帝エカテリーナ
アンリ・トロワイヤ 中公文庫