Scylla. Side A from a Boeotian red-figure bell-crater, 450–425 BC.
古代ギリシアの壺絵(赤絵)
Altes Museum - Canosinisches Prunkgefä
ßCanosian Luxury Vessel
紀元前300年頃
Terracotta askos (flask with a handle over the top)
MET(メトロポリタン美術館蔵)
Scylla House of Dionysos Paphos (世界遺産)
ディオニュソスの家@パフォス考古学公園
キプロス(南キプロス・ギリシャ共和国)
パフォスのカト・パフォス地区にある野外博物館。)
Hellenistic Period.
補足
※ディオニュソスの家
(https://ameblo.jp/uetaken4wh/entry-11160852170.html 20180518検索)
「2世紀末に建てられた、中庭を中心に部屋が並ぶ2,000㎡ のグレコ・ローマン期の邸宅で、神話の場面やブドウの収穫、狩りなどを描いたモザイクで飾られています。入り口にはスキュラを描いたヘレニズム期のモザイクも残っています。建物は4世紀の地震で損壊してしまっています。」
Museo Archeologico Nazionale Jatta
Ancient Greek pottery in Italy
Monsters Exhibition (Palazzo Massimo, Rome, 2014)
『オデュッセイア』などに登場する。上半身は美しい女性で、下半身は魚で、腹部からは3列に並んだ歯を持つ6つの犬の前半身(または首から上)が生えた、奇怪な姿をしているとされる。6つの頭でできた帯をしているともいわれる。また、かつては人間であったともされている。壷絵では剣を持った姿で表されることもある。
スキュラは、キルケーの毒薬により、上半身は美しい姿のまま、魚の尾の下半身、6つの犬の頭と12本の犬の足を持つ姿へと変わってしまった。
アポロドーロス『ギリシア神話』:脇腹から犬の6つの頭と12本の足が生えている WEB検索Wikipedia(2025/09/15検索)の記述.
、「ポセイドーンがスキュラを愛したためアムピトリーテーがキルケーに頼んで怪物にした」とも「グラウコスを愛したスキュラがポセイドーンを拒んだため怪物にされたともいわれる」。
「動物シンボル辞典」p191 キャプションは以下
”恐ろしいスキュラももとをただせば美しいニンフだった。”
アト・ド・フリースの「イメージシンボル辞典」やイブ・ボンノフォワの「世界神話大辞典」
などには、キルケーの項目はあるがスキュラはない。
松原 國師「西洋古典学辞典」(2010)が詳しい。いや詳しすぎる。大要は以下。(p659)
Skilla
ギリシア神話中の女性名。
大渦巻カリュブディス*の対岸の洞窟に住んでいた海
の怪物。6つの長い首と12の脚をもち、顎にはそれぞれ
3列の歯が密生しており、犬のような声で吠え立てたとい
う。海豚や海的などを餌とし、また通り過ぎる船を襲って
水夫を捕食したとされ、オデュッセウス*も6人の部下を
スキュッラに奪い去られている。
スキュッラはもとは美しいニュンペー*(ニンフ*)だったが、ポセイドーン
いしゼウス*に愛されたため、嫉妬に狂った女神アンピト
リーテー*ないしヘーラー*によって怪物に化せられた
いう。
さらに、オウィディウス*の伝える有名な物語に
いては、海神グラウコスが彼女に言い寄ったが拒まれ
魔女キルケー*に媚薬を調合するよう頼んだところ、彼に
惚れていたキルケーは妬んでスキュッラの沐浴する泉に毒
草を投じ、彼女を醜い姿に変えてしまったのだ、というこ
とになっている。
カリュブディス(Charybdis):ギリシア神話に登場する怪物
渦潮を擬人化したというメッシーナ海峡に住む海の魔物で、オデュッセウスの行く手を阻んだ。
(英語版) - 進退窮まった状況を表す英熟語。「前門の虎、後門の狼」と同義語。
「動物シンボル辞典」
スキュラ
仏 Scylla 英Scylla
別名スキレー
人も知るように,故国に戻るオデュッセ
ウスは,シチリアの沖に顔をのぞかせる恐ろしい二つの岩,カリュブディスとスキュ
ラの間を通らねばならなかった。ヴィクト
ール・ベラールはこれを,シチリアの町ト
ラーパニに面したピエトラ・ルンガとビエ
トラ・メナルタという島のことだといっている。
カリュブディスは強烈な海の渦巻なのにたいして,スキュラについてはホメーロスが次のような印象的な描写をしている。
「岩礁の真ん中に暗い洞穴が口をあけていて,北西風の側に,すなわち冥界の神エレボスに向けて開いている。
これ
こそ恐ろしい叫びをあげるスキュラの棲む
穴である。
おぞましい怪物ではあるが,そ
の声は雌の子犬のようである。12ある脚は
もう痕跡だけになっているものの,とてつ
もなく長い六つの首があり,それぞれにぞ
っとするような頭がついている。
その口に
は,死の影のまといつく密集する歯が三重
に生えている。半身を洞穴に入れ,恐ろし
い六つの首を外に投げ出していて、それで
岩礁の隅々まで探っては,いるかや小型の
鮫,あるいは,あのいななく海の女神アム
ピトリーテーがその胸で数限りなく養って
いる巨大な海の獣を,巧みに捕らえて食べ
ている。
いかなる船乗りも、この岩のそば
を無傷で通過したと誇れることはない。
B.ユーヴェルマンスは,この怪物が巨大 な蛸に他ならないことを傑出したしかたで 論証した(『海の怪物を求めて』