唐草図鑑
花唐草

花の図像 文化

アドニスの花

me 「生命の木」関連で、アドニスあるいは没薬を見たのだが、 「神の文化史事典」(松村一男他編 白水社2013)によれば、アドニスのキーワードは、「美男、猪、変身、花」だそうだ。そこで、アドニスの花であるが・・ 

Adonis annua 

me 日本のフクジュソウは学名にアドニスとあるので一番にみたものの、なにか違う・・ ということで、「フクジュソウ科」を見ました
https://en.wikipedia.org/wiki/Adonis_(plant)
こちらが、「Adonis' Flowerアドニスの花」
絶滅危惧種であるほかに、咲くのは秋のようです

The Autumn Adonis, pheasant's-eye (A. annua), has flowers with bright red petals.
秋のアドニス、キジの目(A. annua)には、明るい赤い花びらの花があります。

The generic name Adonis refers to the mythic character Adonis, a lover of the goddess Aphrodite or Venus. According to the Metamorphoses of Ovid the anemone, also of the family Ranunculaceae, was created when Venus sprinkled nectar on his blood.

Adonis annua


(syn. Adonis autumnalis L., Adonis phoenicea ), also known as Pheasant's-eye, Adonis' Flower, autumn adonis,

It is native to North Africa, Western Asia, the Mediterranean, and Europe.
In the UK, Adonis annua is endangered and listed as a priority species under the UK Biodiversity Action Plan

Adonis aestivalis 1
Adonis aestivalis


Adonis annua
(Type speciesタイプ種=命名法上、属(または亜属など)を代表する種
↑の記載があった (基準標本type specimen)


『植物ラテン語辞典』の裏表紙なのだが、
この花は?
  花はアネモネのようだが、葉はフクジュソウ科っぽい

me ちなみにラテン語annua は「一年草」
アドニスの園は短命な花の園だったどいうので
その意味でも合っている・・
そして花の季節が問題となるのは、#で見た通り
また、フクジュソウは多年草

Adonis ramosa

フクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)は、
キンポウゲ科の多年草。別名、ガンジツソウ(元日草)

開花は2~3月
*https://www.weblio.jp/content/Adonis+ramosa

Adonis ramosa Ryozensan 2009-3-16 Adonis ramosa s4

Wikipedia 英名 Far East Amur adonis

Aduris amurensisは、アムール・アモンシス( Amur adonis)として知られ、中国(黒龍江、吉林、遼寧)、日本(北海道)、韓国、およびロシア極東(Primorye、Amur、Sakhalin)


早春のスプリングエフェメラルイメージ Photo by (c)Tomo.Yun(https://www.yunphoto.net)

me ジャックブロスの「世界樹木神話」では
「第5章 神樹の死と再生」の 第5節にある
(以下#再掲)

フレイザーは「アドニス」の中で、この祝祭(アドニア祭)は 春に行われたもので、その地方ではアドニスを象徴する花である赤いアネモネが咲く時期であると主張する 
彼は自分が主張した他の多くの神々に対してと同じように、アドニスの中に春の目覚めの神を見ようとするからである
この神話解釈についての万能概念こそ、ジョルジュ・デュメジルとクロード・レヴィ=ストロースの業績に基礎を置いた人類学派が疑問視したものに他ならない


ドゥティエンヌの『アドニスの園--ギリシアの香料神話』によれ、ばこの祭りが行われたのは春などではなく、七月二十日頃の土用のころであったという
有名な「アドニスの園」すなわちウイキョウ、コムギ、オオムギ、レタスの種子が、数日間そして時期外れに発芽されていた粘土製の簡素な小鉢は、「不毛な」栽培、「軽薄な」栽培に他ならず、これらは祝祭の間許されるつかの間の性的関係とセットになっていたという

赤いアネモネもみます

me アドニスを象徴する花は、象徴事典では
実はバラが一番に来るらしいが・・ ??

・・途中です(20180320)

アト・ド・フリース (イメージシンボル事典)P16

anemone アネモネ

【神話】
1.風の花 wind-flowerともいう
ビーナスの神酒をふりかけたとき、アドニスの血から血のように赤い短命な花が生まれた(オピディウス『転身物語』10,730~)


2.アドニスが死んだときアフロディテが流した涙であるといわれる(ビオン『アドニスのための嘆き』Lament for Adnis 66)


3.ユピテルに愛されたのでアネモネはフローラによってその宮殿から追放され鼻に変えられた。春が戻る前に芽吹くのでボレアス(北風)に法要されるままになる。北風はアネモネの体を萌えさせるが、愛することができないので、アネモネはすぐにしおれてしまう。
アネモネは美の移ろいやすさのエンブレムとなり、しばしばbrevis est usus (その支配は短い)と記した巻物図案がついている。風に吹かれて花が開。プリニウス21,94

〔色〕(太女神の色)
〔象徴〕遺棄、期待、悲惨、病気など


神話・伝承事典 (バーバラ・ウォーカー)P7、p218

me 項目なし  アドニスの項(p7)に 以下の記述

 

シリアのアドニスは 復活祭(Easter)に死んだ。そして彼の血から生まれたとされるアネモネの花で飾られた。
アネモネとはアドニスの添え名であるNaaman (最愛の人)に由来する
アドニスもナルキッソス、アンテウス、ヒュアキントスといった春の花で飾られる神々と同じように「美神」と呼ばれた。

me 「春の花で飾られる神々」と同じというのだが、これは、それとは違う季節の花という意味であるのか?
ちなみに復活祭の日は2018年は4月1日 (キリストの復活をお祝いする日、ということになっている)

Easter(復活祭)
サクソンの女神、イオストレ或いはアスタルテAstarteの北欧の呼び名であるオスタラにちなんだ春の生贄の祭り、
復活祭のウサギはキリスト教以前から存在した
東洋の国においても様々な国で、月の女神にとって神聖な月–ウサギだった
キリスト教の祝祭は中世後期に女神の名前がつけられるまでは、復活祭(Easter)と呼ばれていなかった
ドイツでは、以前聖王の愛死の季節に与えていた添え名「潮時」(Hoch-Zeit)を復活祭にも当てはめた。英語でも、復活祭は「満潮時」(Hye-Tide)と呼ばれていた。このような添え名から、祭日をどれでもhigh-old-time(楽しく愉快な時)と口語では言うようになった

ハンス・ビーダーマン(世界シンボル事典)p337

me アネモネの項目はなく、バラの項に以下の記述

古代ギリシア・ローマにおいて、バラはとりわけ、アドニスの死をめぐる伝説と結びつけられており、女神アフロディテ(ローマ神話ではウェヌス)の恋人であったアドニスが死んだとき、その血の滴ったあとからは赤いバラの花が生えてきたとされる
(ただしこの神話には、ディテールの異なるさまざまなヴァリエーションがある)
このため赤いバラは死を超越した愛と、再生を表すシンボルとなった

me この項の続きに、

陶酔の神ディオニュソスの祭祀においては、参加者たちがバラの花冠をかぶっていたとされるが、これはバラに葡萄酒の酔いを醒ます効果があり、また酔ってうっかり秘密を口外したりするのを防ぐとされていることと関連があるかもしてない。バラはこのように秘密厳守のシンボルとされることもあり、カトリック教会の刻改質には、しばしばご弁の薔薇の花を掘った飾り場みられる。また「内密に」を意味するラテン語の慣用句sub rosaは字義通りには「バラの下で」の意である。

me  バラの花冠であった、というのも少々違っているようだが・・矢印ディオニュソスの祭祀で


 

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