アラビアやヨーロッパではミルテの名で古くから知られているフトモモ科の樹木。 祝いの木とも称され、結婚式の花輪にされるほかに、花木として庭園に植えられ切り花に利用される。
葉と果実が香るので、酒や食物の香りづけや香水ともなる。原産地は中近東から地中海地方。常緑低木で高さ3メートルくらい。枝は多く出てよく茂り、樹形は自然に整う。葉は針型で先はとがり長さ4センチくらい。濃緑色で光沢があり、革質、対生して枝に密につく。花は上向きに多くつき、葉とよくつり合う。花は5弁で直径1〜5センチくらい。白色または帯赤色で糸状の長い雄蕊が多数生じ、美しさを増す。花期は夏から秋。葉や花から方向ある製油が取れ、また薬用にもされる。
平凡社百科事典 古里 和夫
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■『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギンバイカとは美神アフロディテ(ウェヌス)の神木とされ、常緑樹であるところから、[不死]や[復活]のシンボルともなり、外地に移民する際の護符として尊ばれた。その葉や実が芳香を発するため、ローマ時代には湯につけて入浴する習慣も生まれ、女神の美しさにあやかろうとする女性たちの間で流行した。
またギリシアでこの花輪をナウクラティテスと呼んだのは、エジプトのギリシア植民市ナウクラティスの商船が大しけにあったとき、船のあちこちにこの木が生えて沈没を免れたという伝説に由来する。花ことばは(愛)
平凡社百科事典 荒俣 宏
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