イチジク | ザクロ | ナツメヤシ | ブドウ | モモ | リンゴ |
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2011-07-07
唐草文様と果物というと、まず葡萄唐草であるが、イチジクやザクロ、ナツメヤシも関わりのあるものとして見てきました。文様・象徴物として、モモとリンゴも大きな部分を占めている・・(リンゴは他にきっちりやっておられる方がありましたので、自分としてはまだきちんとまとめてかねていますが)
ここで、果物の文化誌をみてみます。
いちじく、ざくろ、なつめやし、ぶどう、もも、りんご・・・
1900年頃、唐突に、地下鉄の入口からパン屑ブラシの柄に至るまで、あらゆる工芸品にヒルガオやアイリス、スードル状の花飾りによる装飾が施されはじめた。ヌードル模様に縁取られたアイリスと、アイリスに縁取られたヌードル模様とが愛好された時代だった。
これは「モダンスタイル」と呼ばれた。
そこで世紀末に現れたちょろぎが、らせん状にねじれた飾り紐やロココ風のアラベスク、新種の流線形に注がれるのと同じ熱い視線を浴びることになり、自然さえもがこの様式に味方しているのだと考えられた。
「ちょろぎ草石蚕クサイサギ」とあるのだが、 ※Wikipediaのちょろぎとは、英名Chinese artichoke
p368
ダリのセリフ
ギマール様式(パリの地下鉄の入口の装飾などで知られるアール・ヌーヴォーの様式)についての要約・・「この装飾物は、遺伝的相称の円筒状の奇形に他ならない・
※ WikipediaギマールHector Guimard 1867年– 1942
いちじくの赤い実果肉は少なからず人々を恐れさせた。カタロニアの宗教的の民話で、かってこう言われていたほどである。「いちじくは黄金色の肌と牛乳のように真っ白い果肉をしていた。 しかし、ユダがいちじくの木で首をつったので、外側は喪服の黒になり、中身は地のように赤くなった」
いちじくの起源は、はるか古代まで遡る。
ホメロスは、「オデュセイア」の地獄のタンタロスの苦しみに関する記述の中でいちじくにふれているし、プルタルコスは「食卓について」の中で、世界でもっとも甘い果実の一つが、このように酸っぱく苦い木から生まれるのは、すべての甘みが果実に凝縮しているからだと説明
強壮効果のある食べ物として、古代オリンピック選手の献立の一つであった
プラトンの大好物で、彼はいちじくの恋人(Philosukos)と呼ばれた
ざくろは世界で最も古い樹木のひとつ。
旧約聖書では《Rommmon》という名で何度も言及されている。
ざくろの実が秤と形が類似していることから、ローマの天秤を生み出すことになった。
アフロディティはキプロス島にみずからそれを植えたということで、ざくろはまた愛の果実となった
ざくろの実は、神による天地創造によって栄冠を与えられた唯一の果物であると主張されていた。というのは、ざくろの実は、厚みのある萼の聖杯を長く付けていて、それで大変威厳のある外観になっているからである。
これではラブレーによれば天地を想像したというセイヨウカリンの果実をほとんど重視しない事になる。だが、ザクロの実は聖書の果物であるが、
セイヨウカリンの実は明らかにそうではない。
ザクロの実は、他のなにより乳首に類似しているこの冠を除けば、さらに、その皮によって人目を引くものである。
プリニウスはそれを《リンゴの革》malicoriumと呼んでいるが、それほどその皮は、厚くて硬いのである(フェニキア人もカルタゴ人も、革をなめすのにそれを使っていた)
実際はザクロの実とは、その冠のことでも、その皮のことでもなく、それはミツバチの巣のこと、その「ミツバチの巣の仕切り」(とジッドは言っている)のことなのである。
僕の情熱よ
君は知る
赤紫の色に実は熟し
柘榴の粒はひびき割れ
蜜蜂の羽音明るくさざめくのを
(マラルメ 牧神の午後)福永武彦訳「フランス詩集」
メソポタミアの古代都市ウル・・そこでは、 直線は未知のものであり、曲線すなわち女らしさだけが支配する。 ざくろの実は、女性同様、人類の最古の憧憬に属しているのであろう。
デュニュッソスの両性具有性に関する話
(p494)1593年チェザーレ・リーバ「図像解釈学」尊大な欲望の象徴
果肉の柔らかさのせいか、あるいは単に桃(pêche)という名前のせいか、桃は長い間罪(péché)に結び付けられていた。
りんごは丸い。このことがりんごのの存在理由であり、りんごが万人に愛される理由である
「りんごの木の上にいる神のように、世界の劇場の観客のように、深い思いに浸りながら大地の起伏と構造を学んだ」クローデル『東方所感』